【ブックログ】『何度でもオールライトと歌え 』

【(速)読チャレンジ No.22】

速読ではなく、ただの読書日記ですが、22冊目。
日経新聞で紹介されていて、興味を持った一冊。
ASIAN KUNG-FU GENERATIONの音楽は、正直よく知らないけど
叩かれようとも、少なくともこいつは何かを考えているんだと思われたい
という主旨のことを言われていて、気になったのと

空気は読むものではないと思う。(中略)だから、嗅いでみたり、耳を澄ませてみるのがいいと思う。

というプロローグにも惹かれました。


何度でもオールライトと歌え』後藤正文<著>

【感想】
多くの人の心に響く歌詞を書く人だけあって、文章がとてもおもしろく魅力的だった。
基本的にブログの書籍化なので、
本当にただただ妄想に満ちた普通の1日の日記から
原発や世の中の風潮に対する意見まで
色々な記事があるのだけれど。
この本を読む間、改めて感じたのは
伝えたいことがある文章ほど強いものはない
ということと
自分の言葉を持つべきだ
ということ。

白か黒か
AかBか
と、二極化したがる傾向を、私も強く感じている。
そして、誰もがオンライン上で簡単に、そして気軽に言葉を発する今の時代、
自分の意見と逆であれば、「間違っている」「不正解」とし、
それはもう子供の喧嘩かというほど、軽々しく人を否定する言葉を並べてしまう光景を日常的に目にする。

もちろんみんながそうではないし、多様性を受け入れ、きちんと自分の言葉で自分の考えを述べる人だってたくさんいるけど
一方で「バカ」だの「アホ」だの「死ね」だのと、どんなことにも二文字で決着をつけようとする人がいるのも事実。

そんななかで企業として発信したり、お客さんのために文章を書いてたりしていると、ついビビって腰が引けてしまうことがある。
なるべく批判を受けないように。
できることなら一人の人も怒らせたくない。
と、たとえおもしろいと思っても、とがった表現や極端な言い回しは避け、中立に、無難に……となってしまうことが、ある。

もちろん私は後藤さんのような表現者ではないので、
多くの場合はこれでいいのかもしれない。
企業やお客さん(も企業であることが多いけど)には、伝えたいコンテンツがあって
これをできるだけ分かりやすく、人に不快感を与えず、それでいてなるべく多くの人に楽しんでもらえるように文章を書く。
それでいい。

でも一人の人間として、私はきちんと自分の言葉を持っていたい。
そもそも、言葉で人に何かを届ける人になりたくて、
気がつけばこの仕事をしていたのだし、
仕事でなくても、その気持ちは変わらない。

腰が引けた文章は、癖になる。
きちんと自分の言葉で書ける場所を持っておかなければ。
そのために私は毎年、エックスサーバーとお名前.comさんに14,240円を払ってるんじゃないか!

後藤さんがそんなつもりで書いたかどうかは分からないけど、
そもそも自分は何がしたいのか考えさせてくれる、思い出深い1冊になりました。

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